2020年12月16日にソシオークグループは、日本能率協会が実施する2021年度『KAIKAアクション宣言組織』に認定されました。『KAIKA(開花・開化)』は、2012年より日本能率協会が提唱している、次世代のあるべき経営・組織のあり方のことです。「個人の成長」「組織の活性化」「組織の社会性」の3つを同時に実現していくことで、先の読めない社会にも柔軟に対応でき、継続して新しい価値創造をしていくことができる次世代組織になれると提唱されています。この考えに賛同し、組織や社員の活性化や社会課題などに向き合い、活動する企業や組織が、KAIKAアクション宣言組織として年に一度認定されます。
KAIKAアクション宣言組織への認定に至った背景のひとつとして、ソシオークグループ全体で、現場の社員が自ら課題を見つけ、知恵と工夫によりチームで改善を重ねていく「現場力」向上に取り組む姿勢への高い評価がありました。
■常に改善を~「現場力」向上のための5つの指針
私たちは、日々の業務をただこなすのではなく、自ら現場にある課題を見つけ、全員で解決していくという、改善をくり返す現場を目指しています。改善とは、突然大きく何かを変えるのではなく、小さな差である「微差」を積み重ねていくことで、やがて大きな差となりうるもの。「前よりももっと良くならないか」「やり方を少し変えてもっと効率よく仕事しよう」と工夫することで生産性を高め、お客様や働く仲間たちにもっと喜んでいただくことができます。
日々改善すべき課題を見つける指針として、私たちは「5つの柱」を掲げています。
【現場力を高める5つの柱】
1.5S
Sから始まる「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」のことです。まずは整理・整頓・清掃を毎日行っています。
2.3M
Mから始まる「ムリ・ムダ・ムラ」を指します。ムリなことは通用しません。ムダなものも現場にはたくさんあります。均一性のないムラにも問題があるのです。
3.標準化
問題のアプローチとして標準化は最大の武器です。事業所に合わせてマニュアル作成、ルール設定、判断基準を標準化します。
4.見える化
良い現場は問題が見え、悪い現場は問題を深めます。標準を見える化することで異常が見えやすくなり、従業員が自ら問題を発見できるようにします。
5.言える化
問題に気づき、仲間や上司に言うことは勇気がいります。何でも言い合えるには良好な人間関係を築いていなければなりません。
■熱い意見が飛び交う「現場力ワークショップ」
2014年からは株式会社シナ・コーポレーション 代表取締役の遠藤功先生を講師にお招きし、現場の社員や本部社員を対象に「現場力ワークショップ」をスタートさせました。現在では、研修に参加するレベル別に「スタートアップ」「レベルアップ」「改善アドバイザー養成」「経営幹部・管理者向け」と細分化されています。たとえばスタートアップコースは、現場力について学び、現場での課題摘出やその解決方法を探るためのヒントをグループワークや豊富な事例を交えながら身につけていくコースです。会場では全国の拠点に在籍する新卒社員から中途社員、責任者まで、さまざまな立場と経験の社員が現場の取り組みを発表し合い、熱い意見交換が行われます。現場力ワークショップは、2020年度までに43回開催され、参加者の累計は1,095名に達しました。
■コロナ禍で現れた現場力の成果
2020年の新型コロナ感染症の拡大に伴い、全国の小中高校が一斉休校となりました。ソシオークグループでもその影響は大きく、学校給食の現場は止まることとなり、本部も感染予防のため現場に赴いての巡回が難しくなりました。
そのような状況下において、学校給食の現場では、いつ給食が再開しても対応できるよう打ち合わせを行いました。入学・進級をお祝いするメッセージカードの作成や季節の飾りつけ、厨房機器の清掃を行いました。社会貢献活動として医療従事者への手作りの防護服、子ども達には手作りの布マスクを制作し寄贈しました。
これらの活動は『現場力』で培った力で、現場が自発的に取り組み、広がっていったものです。 日頃から知恵を出し「より良くする」ことを意識してきたことで、コロナ禍においても「自分にできること」を考え実行に移すことができました。また共感の仕組みがチーム内にできあがっていたことで、現場がひとつにまとまり、大きな力を発揮できたと考えています。
■年2回のアワードで優秀チームを表彰
各事業所では改善の取り組み内容についてビフォーとアフターを添え、報告書を提出しています。2014年から始めた報告書の提出は年間約3,000件、2019年度下期では累計約14,000件に達しました。改善の活動は、各現場だけで終わらせるのではなく、現場や事業の枠を超えて共有することもあります。
また、数々の取り組みの中からとくに素晴らしいものは、年2回全社の現場責任者が集う経営計画発表会・経営状況報告会で行われるプレゼン大会にて、チームごとに発表を行います。その中でグランプリや優秀賞などが決定。「ソシオークアワード現場力部門」で表彰されます。
■社員一人ひとりに改善方法を考える習慣が芽生えた
このように報告書を作成したり、定期的に他のグループ企業に向けて発表する場を設けたりすることで、現場スタッフ一人ひとりに常日頃から何か問題はないかと課題に気づく意識が芽生えるようになりました。そして自然とスタッフ同士でコミュニケーションをとりながら、改善方法を考えるようになるというたしかな効果が得られたのです。
ソシオークグループは、今後もよりいっそう「現場力」向上の取り組みを強化し、お客様や地域社会に、より良いサービスをご提供してまいります。