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ソシオークグループ「現場力」インタビュー Vol.3 「なりきり!エバンジェリスト」 現場力作成者:明日葉 小田部 啓子さん・深澤 真登さん

ソシオークグループの「現場力」とは

 

現場力」とは、フードサービスや子育て支援、運行管理・移動サービスなど現場ではたらくソシオークグループの社員が自ら課題や改善点を見つけ、知恵と工夫によりチームで改善を重ねていく取り組みです。自ら考え実践するナレッジワーカーとしての誇りの醸成や、個人の持続的成長につながるとともに、各現場の意欲向上や組織の活性化にもつながっています。

 

左:現場力作成者の小田部 啓子さん 右:江東きっずクラブ砂町施設長の深澤 真登さん

 

 

今回紹介する「現場力」のタイトルは「なりきり!エバンジェリスト」。
エバンジェリストは「伝道師」という意味です。今年度、ソシオークグループでは「現場力」を推進するエバンジェリストがスタートしました。このエバンジェリストの概念を、学童保育施設内で活用し始めたのが「江東きっずクラブ砂町」です。

 

「現場のみんながエバンジェリストであれ」という想いから、主体的に参加する事例検討の場を設けたところ、若手のスタッフから意見が積極的に挙がるようになり、日々の仕事に対しても積極的になっていったそうです。
この「現場力」を作成した児童指導員の小田部 啓子さん、江東きっずクラブ砂町施設長の深澤 真登さんにお話を伺いました。

 

 

――今回の現場力へ取り組んだきっかけについて教えていただけますか。

 

深澤 真登さん(以下敬称略):江東きっずクラブ砂町は今年度から新しく立ち上げた学童保育施設のため、立ち上げ当初は現場の中で問題が発生することもありました。そこで、みんなで子どものけがやトラブルに対して「事例検討」をやりたいなと考えていました。

 

小田部 啓子さん(以下敬称略):当時、社員はいつも目の前のことに追われている状況でした。コロナの影響で研修の機会も減っていて、その中で、けがやトラブルを未然に防ぐためにはどうしたらいいかを考えていたところ、本社で(社員が自ら課題や改善点を見つけ、改善をする現場力を推進する)「エバンジェリスト」の制度が始まったと聞きました。

 

私は、本社のエバンジェリストが何かしてくれるのを待つだけではなく、現場の中でエバンジェリストをやってしまえばいいのではないか、と考えたんです。それがきっかけでした。

 

深澤:今では、月に一度事例検討を行っていて、若手が司会進行もして、意見交換もして、私は極力外れています。実際に改善もできていまして、問題が発生しても大きくなる前に保護者に話をするなどの対応ができ、小さく収めることができています。

 

 

――あまり経験がない方や若手の方が、積極的になるまでには、どのような経緯があったのでしょうか。

 

小田部:私は産休明けで5月頃に復帰したのですが、当初、待ちの姿勢を感じられました。ベテランの方に安心感があるので、何かあったら頼ればいい、っていうような。やっぱり「それぞれがエバンジェリスト」というように「それぞれが現場を良くしていこう」と考える方が大切なのかなと思いました。

 

そのために「責任者ではない者も自分の考えを示す」ということを、まずは私のミッションとしてやっていきました。責任者とは違うポジションから、子どもたちの様子とか、「この子はこういうところがあるけど、こういうところがいいよね」というような何気ない話をするように意識しました。

 

深澤:すごく良い見本になってくれました。

 

小田部:少しずつ、現場や子どもたちに対する想いがみなさんに伝わっていったと実感しました。そのうち、パートナーさんからもミーティング後に私に意見を言ってもらえるようになって、それが段々、ミーティング中にみんなの前で積極的に意見を言うようになっていきました。パートナーさんたちも、本当はすごく子どもたちのことを一生懸命考えて動いてくださっているんです。(※ソシオークグループでは、パート社員のことを「パートナー社員」と呼称)

 

 

――実際に事例共有ではどのような話をされているのでしょうか?

 

小田部:私が一度挙げたことがあるのは、「三角巾を使った応急処置の仕方」です。この事例には強い想いがあって。前にいた事業所で、お子さんの肘の骨折があったのですが、その時の私は応急処置の仕方を知らず、その子は痛い思いをしてしばらく泣いちゃったんです。その時は当時の責任者が補強してくれたのですが、自分に応急処置の知識があればもっと早く対応できたのに、という後悔が残りました。

 

肘の骨折や足首の捻挫はとても多いので、応急処置をみんなで共有しておけば、事故が発生したときに思い出せると思いました。人に教えることによって、自分も忘れちゃいけないという良いプレッシャーにもなるし、誰かがけがをしたときに自分が助けようという意識の向上にもなります。

 

応急処置の仕方を共有する様子

 

深澤:発熱したお子さんをお父さんにお迎えに来ていただいたとき、お父さんから納得できない、と言われたことがあって、その時のことについて事例検討したこともあります。

 

お父さんの言い分としては、自分も仕事があるし、途中でお迎えに来てくれと言われても困るとのことでした。そのときに対応した社員は、ルールなので、という説明をしたことで、お父さんを余計に怒らせてしまったんです。でも最終的には、しばらくお話を聞いて「そうですよね」と話を受け止めたら、お父さんの怒りがスーッと引いていきました。

 

事例検討では、「ルールを意識するがあまり強調しすぎた」という話が出ました。やっぱり「お父さん、大変なときにすみません」という一言があれば違ったかもしれない。対応について考えられる良い事例だなって思いました。

 

 

――取り組みを通じて、どのような変化がありましたか。

 

深澤:私が若い社員に言うのは、「現場力って特別なことじゃなく、日常なんだよ」という話です。現場にいれば、問題はいろいろ起きると思います。それを解決したいとか、それによって自分も成長したい、という想いが改善につながり、結果、それが現場力になるんだよっていう話をしています。

 

最近では一人一人が、自分が担当している仕事を改善したい、それによって成長したいんだという想いを持てるようになってきたのではないかと思います。受身の姿勢から主体的に、楽しんで仕事できるようになってきたかな。

 

 

――最後に、現場力に対する想いをお一人ずつお聞かせください。

 

小田部:深澤さんがおっしゃっているように、日々やっていることが現場力であることを毎日実感しています。「ここを良くしたらこうなるかな」「ここを効率化したらもっと子どもたちに時間をかけられるな」とか、そういう想いが現場力だなって。みんなが主体的に、現場を良くしていこうという気持ちを持ち、引き続き取り組んでいきたいと思います。

 

深澤:現場力って私にとってはエネルギーですね。現場力があるからこそ、楽しく主体的に働けているので、ぜひ引き続き、会社全体で盛り上がってほしいなと思います。新しい現場力レポートを提出することは、現場が改善しているという1つのエビデンスになっていると思うので、今後も積極的に報告させていただきます。